コーポレートコミュニケーション活動において、社内というターゲットは多くの企業で重視されています。
経済広報センターのアンケート調査によると、ブランド戦略に取り組む企業の目的として最も多かったのは「企業価値や企業イメージの向上」、次いで「顧客満足度や企業認知度の向上による顧客拡大」。そして、3位に「ブランド価値向上のための社内での取り組みや企業文化・価値観の従業員への浸透」というインナーブランディングに関する項目となっています。
参考:企業広報プラザ 「経済広報」より抜粋。http://www.kkc.or.jp/plaza/magazine/201401_12.html?cid=5
今回は、その社内向けコミュニケーションの手段のひとつである「広報誌」に注目してみましょう。
何らかの形で「社内報」を持っている企業は非常に多く、伝統的な紙媒体で制作している企業もあれば、社内WEB上に社内報を掲載している企業も増えてきています。
また、制作コストの低減やインフラ環境の向上の背景もあり、動画を活用したメッセージの共有をおこなう事例も多くなっており、形態としては紙とイントラネットをうまく併用しながら、企業の特性を活かし進化している状態にあります。
社内コミュニケーションにおいて「社内報」は、毛細血管のような役割を果たし、「トップダウンのタテ連携」だけでなく、社内の「ヨコ連携」のロジ機能も担っています。
最近では、「ヨコ機能」に加えて、「ボトムアップのタテ連携」機能として、社内SNSを有効に活用している企業もあり、業務連絡用に使われたり、意見交換や議論といったフォーマルなロジに使われることもしばしば。いわゆる飲みニケーションや喫煙所での雑談などに代わる新しいインフォーマルなロジとしても注目されています。
そんな社内コミュニケーションにおいて、社員に最も求められているコンテンツは、なんと言っても「社長からのメッセージ」です。
社員は足元のことだけでなく、5年後、10年後、さらにはその先といった所属する企業の姿を夢見ています。そういった未来の姿を感じられるような社長のメッセージは、過去からの普遍的な企業理念や未来を志向したビジョンという形で表現されます。
もちろん堅苦しい中期計画や予算などの事業計画も重要なコンテンツですが、夢の感じられるコンテンツにこそ社員は共感するものです。
社員が共感し、トップの方針通りに事業ラインが動くことは、経営効率向上につながります。
社員の一体感を高め、風通しをよくすることを通じて、コーポレートコミュニケーション経営を確立していきましょう。