この記事は、BUSINESS INSIDER JAPANの記事を転載しています。
経団連が2021年卒から、情報解禁や採用選考で足並みをそろえてきた「就活ルール」を廃止するなど、新卒一括採用にこだわってきた日本企業の採用にも、地殻変動が起きつつある。「新卒採用、やめます」と宣言する会社も出てきたが、新卒にこだわらない採用をすると何が起きるのか。そしてその理由とは。
「新卒採用という言葉はなくなる」
「新卒採用、やめます。2021年卒採用という言葉は、ガイアックスの中では、もうなくなることになります」
そう話すのは、ガイアックス採用マネージャーの流(ながれ)拓巳さんだ。2020年末以降、同社は対象を新卒だけに絞った、いわゆる「新卒採用」の活動はやめる方針だという。
ガイアックスはソーシャルメディアやシェアリングエコノミーサービスを提供するIT企業。退職後の社員(新卒採用)のうち6割が起業する「起業家輩出企業」としても知られる。
「募集要項などにも、◎年卒採用、新卒採用といった言葉は入れません。便宜的に(新卒を対象とした)就活サイトなどに求人は載せるかもしれません。ただ単に、採用活動で出会う方の中に、学生もいれば、そうでない人もいるだけに過ぎないのです」(流さん)
「新卒採用」という募集の仕方はしないが、新卒の学生を採用しないということではない。社会人の中途採用、未経験者、新卒学生、現役学生であっても、同じ窓口で通年採用するという。
「新卒」「◎◎職」といった求人票の中身に合わせて応募を待つのではなく「その人に合わせて雇用条件や役職も自己申告型でマッチングする」(流さん)という組み立てだ。その人がガイアックスでやりたいことや働ける時間帯を相談の上で、ポジションや仕事をつくったり、勤務形態を決めたりするという。
会社に依存しない、キャリア自律の時代の採用
「その結果、カルチャーも(時間の)コミット量も、スキル面でも、正社員が合うと思えば正社員。カルチャーが合わないがスキルは欲しいと言うケースは、例えば業務委託や(起業が適した人であれば)ガイアックスから出資するのでもいい」
そう話すのは、ガイアックス人事・採用担当の藤堂和幸さんだ。
企業と働き手の関係として描いているのは、コミュニティーのような人材のプール(蓄え)だと藤堂さんは言う。
「2020年末頃までには、コミットの仕方もさまざまの、ガイアックスと仕事をする人材のプールができているイメージです」
こうした、垣根を取っ払った採用を行う理由は、時代の要請といえそうだ。
情報提供元:BUSINESS INSIDERR JAPAN
本記事の掲載元:https://www.businessinsider.jp/post-183129