就職戦線“買い手市場”に激変 新卒採用は氷河期に向かう

この記事は、Yahoo!ニュースでの記事を転載しています。

就職戦線が“売り手市場”から“買い手市場”に激変しそうだ。

 共同通信が主要112社を対象にした2020年度(20年4月~21年3月)入社の新卒採用に関するアンケート結果を発表した。それによると、採用数を19年度実績より増やすと答えた企業は23社で21%にとどまった。昨春アンケートの29%から8ポイントの下落だ。採用計画を固めた79社との比率では増やす企業の比率は29%で、昨春から10ポイントの下落。112社のうち、採用数を減らすと答えた企業は16%で6ポイント増えている。

 この数年、大学生などの新卒者は売り手市場。リクルートワークス研究所によると、今年3月卒業者の有効求人倍率は1.88倍で、7年連続の上昇だった。この勢いにストップがかかるわけだ。東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏が言う。

「一番の原因は米国経済です。トランプ政権は景気が好調なように見せていたが、米国民は本当は自国の経済が力強くないと気づいた。そこに中国との貿易摩擦や英国のEU離脱問題が重なり、日本の経済界も先行きに不安感を抱き始めたのです。エコノミストからは景気のピークは昨年9月で、今は下降線との声も上がっている。厳しいトレンドの中、企業は最大のコストである人件費を削ろうとしているのです」

 今後、大学生などの新卒採用はどうなるのか。

「今みたいに売り手市場の大学生が“我が世の春”に浮かれる時代は終わります。小売業やサービス業などはもう少し人手不足が続くでしょうが、自動車やメガバンク、大手商社などのグローバル企業がどんどん採用を絞るのは間違いない。これからは一握りの本当に優秀な学生しかグローバル企業に入れなくなります。学生の二極化が始まるのです。最低でもあと3、4年は採用を絞り、買い手市場の傾向が強まるのは間違いありません。今度こそアベノミクスの真価が問われることになります」(友田信男氏)

 アベノミクスの失敗で就職戦線は氷河期に向かっている。安倍政権を手放しで支持していた若者が目を覚ますかもしれない。

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