採用に関わる面接では聞いてはいけない質問があります。
人生を左右する可能性もある採用面接において、応募者の基本的人権を侵すような採用の自由は認められていないと理解しましょう。
面接における基本的な心構えについては、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」(http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm)に記載があるように、
採用選考にあたっては、「応募者の基本的人権を尊重すること」と「応募者の適正・能力のみを基準としておこなうこと」を基本的な考え方とし、適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねて把握することや、就職差別につながるおそれがあることをおこなうと、罰則(6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金)が科せられる場合がありますので、注意しましょう。
採用選考時に配慮すべき事項が、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」には明示されているので、下記が聞いてはいけないNG質問となります。
下記の事項は面接だけでなく、応募用紙等に記載させるなどして企業が把握することもダメです。
把握してはいけないNG質問集
(1)本籍地や出生地に関すること
「あなたの本籍地はどこ?」
「あなたのお父さんの出身地は?」
「ずっと現住所に住んでいるのですか?」
は、NG質問となります。
(2)家族の仕事に関すること
「お父さんはどちらの会社に勤めています?」
「お父さんは社長ですか?」
など。
(3)家族の健康、収入、資産、住宅状況など
「お母さんは仕事をしていますか?」
「住まいは一戸建てですか?」
「学費は誰が出しましたか?」
「お父さんは健康ですか?」
など。
(4)本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握
「どの政党を支持していますか?」
「尊敬する人物は誰ですか?」
「信仰している宗教はありますか?」
「愛読書は何ですか?」
「毎月読んでる雑誌や購読新聞は?」
など。
(5)生活環境などの把握
「自宅は○○駅のどちら側ですか?」
「お住まいの地域は、どんな環境ですか?」
など。
(6)男女雇用機会均等法に抵触する質問
「結婚、出産したとしても働き続けますか?」
「結婚の予定はありますか?」
など。
このように、意外とつい聞いてしまいたくなる質問もNG質問の中に含まれています。
愛読書や出産後の勤務希望などは特に聞いてみたい質問ではありますが、把握すべきでない事項として明示されています。
上述した厚生労働省の「公正な採用選考の基本」にあるように、公正な採用選考を行うことは、家族状況や生活環境といった、応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しないということです。
そのため、応募者の適性・能力に関係のない事柄について、応募用紙に記入させたり、面接で質問することなどによって把握しないようにすることが重要です。
これらの事項は採用基準としないつもりでも、把握すれば結果としてどうしても採否決定に影響を与えることになってしまい、就職差別につながるおそれがあります。
採用活動の遂行のために必要となる適性・能力を評価する観点から、あらかじめ質問項目や評価基準を決めておき、適性と能力に関係のない事項を尋ねないよう留意しましょう。